来る10月5-6に行われた第45回日本体外循環技術医学会in名古屋に、F技士が演題発表、私が座長として参加してきました。
この学会は、その名の通り体外循環に関連した学会で、心臓手術や補助循環に関連した演題、講演が盛りだくさんの学会です。人工心肺をはじめとした体外循環の技術や新しい術式に関連する発表に限らず、心臓外科医、麻酔科医を巻き込んだセッションも毎回企画され、その道に従事する臨床工学技士としてはとても勉強になる学会です。特に近年は、体外循環にまつわる抗凝固についての新しい知見がでており、これまで抗凝固はヘパリン、ACTは400秒とある種固定観念のように進められていた抗凝固ですが、今では凝固因子温存、止血戦略にまで言及した体外循環中の抗凝固管理が求められるようなっています。人工心肺の技術はここ20年不変であり、安全管理に注力されていた傾向がありましたが、ここにきて術後の出血管理は人工心肺中の抗凝固管理が大きく影響することが示され、我々に求められる知識技術がさらに拡大しているように思います。
私が座長担当したセッションは「大血管」ですが、ここでは脊髄保護をいかに行うか、新しいモニタリング装置を用いた脊髄保護における各施設の取り組みを勉強することができました。座長をしながら、なるほど、、うちでも取り入れたい、と思うことが多かったです。
さて、今回ポスター発表してくれたF技士は、というと、当日朝までポスター内容をあれこれ改定し、直前までより良い発表にすべく頑張ってくれましたが、痛恨の計算ミス…ポスター掲示場所に用意したポスターが収まらないという緊急事態に陥りました(笑)ま、そこはご愛敬、実際の発表は堂々と的確に喋ってくれ、セッション終了後には有名病院の技士さんから貴重なアドバイスをいただけるというおまけ付きです。今回は総合医療センターで経験した人工肺交換症例2例について、貴重な症例報告として発表させていただきました。
今回の学会で得た知見を臨床現場に取り入れ、心臓手術の更なる飛躍につなげたいです。
文責:佐々木慎理
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