透析センター



特徴・特色

 

川崎医科大学総合医療センターの透析センターは透析装置20台を保有し、最大60名の透析治療に対応可能です。スタッフ数は、透析専門医2名を中心に、看護師13名、臨床工学技士3名です。

透析センターでは、医師、看護師、臨床工学技士、栄養士など多職種スタッフと共に、維持透析をチームで提供しています。また、バスキュラーアクセス機能低下に対する検査、血管内治療(PTA) やフットケアを含む末梢血管病に対しては血管外科の医師と連携を取りながら治療を行っています。 

維持透析以外にも、血漿交換(PE)、二重濾過血漿交換療法(DFPP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)などの特殊血液浄化も透析センターで実施をしています。


設備について

透析センターでは、多人数用透析装置17台、個人用透析装置3台を用い、重症な患者さんに対して、安全かつ効果的な透析治療を行うために、生体情報モニタや超音波診断装置など様々な機器が配備されています。

透析装置には、除水に伴い生じる血管内脱水の評価ができるBV計や、透析液を用いてプライミング、脱血、返血の作業を全自動で行うことができるD-FAS(Dialysis Full Assist System)機能などがあり有効活用しています。D-FAS機能を使用することで、鉗子操作など複雑な手技が最小限となるため、安全な治療や作業の省力化が期待できます。併せてon-line HDF対応機器であることから、必要患者にはon-line HDFの導入を行っています。

また、透析情報管理システム (Future Net Web:日機装)を導入し、透析装置、体重計、電子カルテが連動し、透析記録の自動作成を行っております。

血液浄化装置は1台設置しており血漿交換(PE)、二重濾過血漿交換療法(DFPP)、血液吸着(HA)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)などの特殊血液浄化も行っています。

 

水処理装置(DRO-NX:日機装)

多人数用透析液供給装置(DAB-30NX:日機装)

粉末溶解装置(AHI-502BHI-502:東亜DKK

多人数用透析装置(DCS-200SiDCS-100NXDCG-03:日機装)

個人用透析装置(DBB-200Si、DBB-100NX:日機装)

血液浄化装置(ACH-ΣPlusi、ACH-ΣPlus、ACH-Σ:旭化成)


MEの業務内容

維持透析施行業務

 

透析センターにおける維持透析治療の介入を行っています。治療前は早出担当者により透析液濃度測定などの始業点検からプライミングまでの準備を行います。治療開始作業は、患者さんに穿刺する者と機械操作を行う者と2名体制で行なっています。比較的インシデントが発生しやすい開始前、開始直後のタイミングはダブルチェックを行い、治療の各工程でFNWのチェックリスト機能を用いて確認作業をすることにより、透析治療の安全性を担保しています。

 

治療中は透析記録、治療中の患者管理、トラブル対応などを行っており、治療終了時は抜針、止血あるいは機械操作、治療後は片付け、体重測定など行っています。また、透析オーダーの入力補助を行っており、FNWを用いて医師と治療条件を検討し、透析指示書を作成補助しています。

多職種カンファレンスとは別に臨床工学技士間で透析効率を中心としたカンファレンスを行っています。臨床工学技士の視点から見た透析患者さんの問題点と対策について透析センタースタッフと共有することで、良質な透析医療を提供できるよう協力しあっています。

バスキュラーアクセス機能評価業務

十分な透析効率を実現するためには、適切なバスキュラーアクセス(以下VA)が必要となり、VA機能を評価することが重要です。

 透析センターでは、VA機能評価として川崎医科大学附属病院で開発した透析効率の指標:クリアランスギャップを中心に、実血流量や再循環を測定できる透析HDモニタHD-02を併用することにより、 VA管理に臨床工学技士が積極的に関与しています。

また、最近の取り組みとして超音波診断装置を用いてシャントの評価を行っています。

外来患者さんの定期的な評価、シャントトラブル時の評価などを行い医師、看護師と連携することで、透析不足や合併症などを引き起こさないよう努めています。

特殊血液浄化の施行

家族性高コレステロール血症、巣状糸球体硬化症に対してLDL吸着療法、劇症肝炎に対して血漿交換(PE)、類天疱瘡に対して二重濾過血漿交換療法(DFPP)あるいは選択的血漿交換(SePE)、難治性腹水に対して腹水濾過濃縮再静注法(CART)などを中心に行っています。

近年では下肢末梢動脈疾患に対して血液吸着(HA)も開始しています。

  

特殊血液浄化業務は透析センターだけでなく、集中治療室(ICU)や高度治療室(HCU)でも行っており、血液浄化業務全般に対応しています。

保守管理業務

保守管理業務として、始業点検、定期点検、オーバーホール、透析液清浄化などを行っています。始業点検は毎日早出の担当者が行っており、濃度、浸透圧測定、電導度の確認、液漏れ確認、LAN配線の接続確認など行っています。定期点検は透析装置が年2回、RODABなどは年4回の頻度で行っており、透析装置を例にすると、バランステスト、除水テスト、自己診断、内部液漏れ確認など行っています。

オーバーホールは各種消耗部品の交換をメーカーと協力して行っており、装置により異なりますが12年に1回の頻度で行っています。

 

透析液清浄化は透析液中のエンドトキシン濃度ならびに生菌の測定を行っており、定期的に検査を行う事により、超純水透析液の基準を満たす透析液の供給を実現しています。