⾼度救命救急センターは、昭和54年に岡⼭県内における重症救急患者さんの収容・治療の中⼼的施設として、国・県・⼤学が⼀体となって県下で初めて開設された救命救急センターが本体となり、平成6年に開設されました。
平成8年には災害拠点病院に指定され、災害発⽣時における救護班派遣や救援救護の訓練を実施し有事に備えています。また、従来の重傷救急患者さんに加え、熱傷、中毒などのより⾼度で特殊な重症患者さんの収容、治療を⾏っています。
平成11年からドクターヘリを配備し、平成13年から本格的に運⽤が開始され、平成16年には脳卒中科のSCU(脳卒中集中治療室)が併設されました。
岡⼭県から近隣他県の三次救急医療はもとより、地域医療の中核として初期救急、⼆次救急医療体制を整えており、『24時間いつでも診療を⾏う』という当院の基本理念は開設以来貫かれているものです。
このような⾼度救命救急センターでの診療は、救急科を中⼼に⼩児科を含む全科の医師がバック
アップすることで専⾨性の⾼い救急医療体制を組んでいます。
臨床技術提供業務としては、ICU 10床、SCU9床、病棟、外来の重症患者さんや救急患者さんに対して、⼈⼯呼吸器、⾎液浄化装置、補助循環などの生命維持管理装置の導入から離脱までに必要な操作・点検を⾏っています。
保守管理業務としては、救命救急センター内にある機器のほか、ドクターカー、ドクターヘリに搭載されている機器についても管理しています。
呼吸状態が悪い患者さんは人工呼吸器を使用し管理されます。人工呼吸器を含めた酸素療法機器の使用中チェックを臨床工学技士が行うことで患者さんの状態把握、設定の確認、使用状況などを確認しています。
医師や看護師と情報共有し、患者さんが⼀番安全で⼀番楽な呼吸状態になるよう治療を進めていきます。
また、人工呼吸器など生命維持管理装置を装着した患者が他院に転院搬送となる際は、臨床工学技士も医師とともにドクターカーに乗車して、重症患者搬送を行っています。
急性腎不全、敗⾎症や循環動態の不安定な患者様に対する持続的⾎液浄化療法はもちろん、救命救急センター特有の薬物中毒の患者さんに対する⾎液吸着療法、急性肝疾患の患者さんに対する⾎漿交換療法などを⾏っています。
検査データなどを分析し、療法選択・使⽤膜などの治療条件を臨床⼯学技⼠の視点から提案しています。
急性心不全・呼吸不全の状態にある患者さんに対して、呼吸・循環をサポートする目的で用いられます。遠⼼ポンプと膜型⼈⼯肺を⽤いた閉鎖式回路の⼈⼯⼼肺装置により、⼼肺補助を⾏います。⾎液ポンプを⽤いて⼼臓ポンプ機能を代⾏することで、迅速かく確実に全⾝の循環を補助します。また膜型⼈⼯肺を使⽤することにより酸素化を改善させます。
臨床工学技士は患者さんの身長や体重を考慮したカニューレの選択からプライミング、導⼊、回収を⾏っています。施⾏中の管理、⾎液ガスの採取など⾏います。
救命救急センター内にある、⼈⼯呼吸器・輸液ポンプ・シリンジポンプ・⽣体情報モニタなどの医療機器の点検・保守管理を⾏っています。
もちろんドクターヘリやドクターカーに搭載されている医療機器についても同様です。