九州南部豪雨災害におけるDMAT活動

202073日から断続的な豪雨で発災した九州南部豪雨災害に対し、202077日から10日にかけ、DMAT員の資格をもった臨床工学技士も、川崎医科大学総合医療センターから熊本県に業務調整員として派遣されました。岡山から熊本市まで新幹線で向かい、熊本からレンタカーで参集場所の人吉市に入りました。熊本市内では店舗も平常営業しており、いつもと変わらない日常風景が見られましたが、人吉市に向かうにつれ河川は混濁し増水しており、街の至る場所で水害の爪痕が見られるようになりました。

 

派遣された活動場所の球磨村総合運動公園では、DMATだけでなく警察、消防、自衛隊が多数集まっており、現地の村役場および保健所職員や消防団と協力し、被災地住民の避難状況や要救助者の数、避難所の状況や避難者の状態等様々な情報収集を行い、迅速かつ適切に救助活動を行っていました。


DMATとしての活動は、避難住民の数や要救助者の状況を元にトリアージを行い、治療の必要な人や早期に対応した方が良い既往がある人をピックアップし自衛隊等に救助を要請し、ヘリ等で運ばれてきた方をトリアージ後、治療が必要な方には適切に治療が受けられるようにすると言う役割でした。

 

 川崎医科大学総合医療センターとしては初めてのDMATの派遣となりましたが、他県からも多数のDMAT隊が参集していてそれぞれチーム毎に役割分担を行い、皆が手際よく活動していました。私たちは初出動と言うこともあり、他のDMAT隊に色々と教えて頂きながら、なんとか必死で4日間の活動を終えて帰院しました。初めて顔を合わせるDMAT隊の人たちでしたが、医療従事者として一丸となって活動する有意義で貴重な体験をさせて頂きました。今回の活動はまだまだ力不足ではあったかもしれませんが、被災者の方々や自らが被災しながらも救助活動を行っている現地の方々の助けになればと思います。